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10. 気になる涙やけや毛並みの悪さはドッグフードが原因!?ドッグフードが合っていない時に生じがちな症状と対策

涙やけ、毛並み、気になる愛犬のにおい・・・これらは私たち飼い主の悩みの種ですね。シャンプーもまめにしているのにどうしたら良くなるのか?お散歩に行っても他のわんちゃんたちが気になります。このような症状に、ドッグフードが関係していることがあるのです。

よくある症状の原因と対策を獣医師が解説します。

涙やけ・目やに

涙やけ・目やにの原因

涙やけは鼻涙管のつまりが原因です。先天性もありますが、後天性であることがほとんどです。鼻涙管とは目頭付近の眼瞼にある鼻涙管の開口部(涙点)から鼻の奥に涙が流れていくための管です。この管が何らかの原因で細くなる、又は詰まると涙が顔面表面にあふれます。

溢れた涙が毛に付着し乾くにつれ茶色く変色します。茶色い成分はタンパク質であることが多いです。もしもドッグフードがあっていないとすれば、ドッグフードに含まれるたんぱく質があっていないことが多いです。

涙やけ・目やに対策できるドッグフード選び

  • ドッグフードのメーカーを変更。価格帯が2kg4000円程度のものが、適正品質です。
  • ドッグフードに含まれるたんぱく質の種類を変更(チキンからラムや魚に変えるなど)。
  • アレルギー対応のドッグフードに変更。

といったことが有効です。これに加え、日ごろのケアとして、

  • 涙をこまめに拭く
  • 病院での鼻涙管洗浄(麻酔が必要。涙点から洗浄液を流し、鼻涙管を洗浄)を受ける

を続けてあげましょう。

こちらのページで涙やけの改善におすすめドッグフードを紹介しています。
▶涙やけ・目やにを改善・予防するドッグフードの選び方

体臭

体臭の原因

体臭は、皮膚の汗腺や皮脂腺から分泌される分泌物の臭気と定義されています。ただし、動物には人間と同様の汗腺はありませんので、皮脂腺からの分泌物の臭気が体臭の原因となります。タンパク質は分解されるとアンモニアやアミンなどになり、体臭や多くの疾患の原因になります。ドッグフードを選ぶときに、臭いの元になるタンパク質(動物性タンパクや脂肪)を控えると体臭は減っていきます。

体臭対策できるドッグフード選び

  • 良質のたんぱく質が使用されているドッグフードを選ぶ。
  • 食物繊維をとる。
  • ビフィズス菌をとる。

の3点が有効です。食物繊維はにおい物質を積極的に取り込み便とともに体外に排出するので体臭が軽減します。また、腸内環境を良くし腸内の食査の腐敗を防ぐためにビフィズス菌などの善玉菌を育てるためのオリゴ糖なども同時に摂取するとよいと言われています。

口臭・虫歯

口臭・虫歯の原因

口臭の原因は多くの場合、歯周病や歯石の付着です。歯に付着したドッグフードのカスと口の中の常在菌が反応して歯垢になり、歯垢とドッグフード中のカルシウムが反応し、歯石が形成され、歯に付着します。この歯石が歯肉と歯の間にどんどんたまり、歯周病が悪化していきます。

歯石も歯垢も細菌の塊なので、これが口臭の原因になります。歯垢の始まりであるドッグフードの歯への付着は、ドライフードよりウエットフードの方がはるかに多く、糖分や油分の多いウエットフードではさらに歯石の原因になります。

口臭・虫歯対策できるドッグフード選び

  • ドッグフードはドライフードを選ぶ方が、歯石の付着は少なくなり、口臭や虫歯を予防することができます。
  • 同時に、新鮮な水をたっぷり飲ませ、尿から老廃物をしっかり排出できるよう、こまめな水分補給を心がけてあげてください。

肥満

肥満の原因

薬の投与が原因の場合を除き、肥満は、給与カロリーより消費カロリーが多い場合に起こります。

  • ドッグフードの給与量が多すぎる
  • 脂肪の多く含まれたドッグフードの与えすぎ
  • 運動不足

が主な原因です。

肥満対策できるドッグフード選び

ドッグフードの袋に記載された給与量は1回分ではなく1日分です。まちがえないようにしっかり確認してあげてください。

パピー用は成犬用・老犬用にに比べて脂肪が多く、嗜好性良く作られています。また、生後3か月で将来太りやすいかどうかを左右する脂肪細胞の数が決まります。この時期までに太りすぎた犬は将来太りやすくなります。生後3カ月までの犬のドッグフードは良質の原料を使用したものを選び、こまめに体重をはかり給仕量の計算をしてあげましょう。

元気がない

元気がないときの原因

犬がドッグフードを食べず、うつ向いた様な感じになっているとき、様々な原因が考えられます。フード変更されたことがきっかけになる場合もあります。

元気がないときのドッグフード選び

まずは動物病院を受診し、疾患の治療を行うのが先決です。合わせて、

  • ドッグフードを温める
  • いつもと違うフードに切り替える
  • 栄養価の高いドッグフードにする

など、栄養補給に努めます。

下痢・便秘

下痢・便秘の原因

消化管は最大の免疫器官です。ドッグフードに含まれている原料の何かが合わなければ下痢を起こします。また、急激にドッグフードの変更を行った場合も腸が新しいドッグフードに適応できず下痢になります。

また、ドッグフード中の繊維分が少ないと便の量が減り便秘になります。

下痢・便秘対策のドッグフード選び

  • ドッグフード変更が原因の場合は、ドッグフードの変更は急激に行わず、新しいドッグフードの割合をだんだん増やしていくようにしましょう。
  • 体調も悪くなく食欲もあるのになかなか下痢が治まらない場合には、思い切ってドッグフードを変えてみてください。ドッグフードの変更で下痢が良くなったならば食物アレルギーまたは食物不耐性でしょう。
  • 単に食べすぎで消化不良を起こしているケースもあります。あげている量が体重に対して適正か、パッケージに書かれている給餌量を確認しましょう。
  • 便秘の時には、繊維分の多いドッグフードに切り替えます。
  • ドッグフードだけで改善しない場合は動物病院を受診して便検査を行い、寄生虫がいる場合は駆虫、その他の場合は早めに下痢止めなどの内服薬を投与します。

皮膚炎・かゆみ

皮膚炎・かゆみの原因

皮膚への細菌感染、真菌感染や寄生虫感染により、皮膚が炎症を起こして皮膚炎やかゆみが起こります。皮膚上には普段から多数の細菌や真菌がいるものですが、何らかの原因で皮膚の抵抗力が落ちてしまった結果、皮膚炎・かゆみが起こります。

原因の一つは、ドッグフードに含まれる添加物や合わない原料によるアレルギー反応だと言われています。

皮膚炎・かゆみ対策のドッグフード選び

  • 痒みの原因がドッグフードの場合、添加物を使っていないドッグフードに変更、または原料がヒューマングレードのものに変更します。
  • アレルギー検査の結果、特定の原料にアレルギー反応が出た場合は、そのアレルギー物質をタンパク質源としていないドッグフードに変更します。
  • ドッグフードだけで改善しない場合は、動物病院を受診して痒みを押さえるステロイドや抗ヒスタミン薬などの痒み止め、細菌や真菌感染を抑えるための抗生剤、抗真菌薬、シャンプーを行います。

毛並みが悪い・毛艶がない

毛並みの悪さの原因

「なんだか毛並みが悪いな」と感じるとき、犬の被毛の水分量が少なく、潤いが不足し、皮膚もかさつきが目立つ状態になっています。原因の一つはドッグフードに含まれるたんぱく質が粗悪であること。皮膚に必要な栄養素や脂肪酸が不足してしまっています。

毛並み対策のドッグフード選び

  • 良質のたんぱく質を原料としているドッグフードに変更します。
  • または、オメガ3・オメガ6を含むドッグフードに変更します。具体的には、成分表に「DHA・EPA」や「亜麻仁油」などが書かれているものが該当します。
  • 他にも、脱水を起こすような疾患(腎不全など)や、タンパク質の合成ができない、消耗性の疾患(肝不全やガンなど)にかかっている、、タンパク質が不足するような疾患(腸での栄養素の吸収不全など)にかかっていることなどが原因で毛並みが悪くなることもありますので、ドッグフードを変えても改善しない場合は動物病院を受診して、疾患の治療を行います。

適正量を与えているのにすぐ空腹になる

すぐ空腹になる原因

粗悪なタンパク源が使用されているドッグフードを食べさせたり、ふすまなどの残渣の多い(消化不良になりやすい)ドッグフードを食べさせたりすると、体に必要なタンパク質が不足してすぐ空腹になりがちです。

空腹対策のドッグフード選び

  • 良質のたんぱく質を使用しているドッグフードに変更します。ふすまやトウモロコシなどのような、タンパク以外の原料が多く使用されているフードの給与を中止します。
  • または、オメガ3・オメガ6を含むドッグフードに変更します。具体的には、成分表に「DHA・EPA」や「亜麻仁油」などが書かれているものが該当します。
  • 他にも、消化管での吸収が阻害されるような疾患(タンパク漏出性腸症)、膵外分泌不全、糖尿病などの疾患が原因ですぐ空腹になってしまう場合もありますので、ドッグフードを変えても改善しない場合は動物病院を受診して、疾患の治療を行います。

アレルギー

アレルギーの原因

生活していくうえで環境中にあるものに対して過剰に反応してしまい、激しい拒否反応を起こしている状態をアレルギーと言います。食事アレルギー、環境に対するアレルギー(花粉、ダニ、カビなど)などがあります。

ドッグフードに対して起こすアレルギーは、タンパク質に対するアレルギーが多く報告されていますが、最近は野菜や果物に対するアレルギー反応も多く報告されています。

アレルギー対策のドッグフード選び

  • アレルギー検査を行い、何に対して強いアレルギー反応を起こしているのか確認するのが先決です。
  • アレルギー検査を行った後、アレルギー反応が少なかった原料を使用したドッグフードに変更します。
  • 皮膚に良いとされる脂肪酸(オメガ3、オメガ6)、ウコンなどが使われたドッグフードも良いとされます。
  • 激しい痒みの場合は、上記のような食事療法と併せてステロイドや免疫抑制剤を投与します。

犬の体質に合わせたドッグフードを選ぶために必要なチェックポイントまとめ

最後にどのようなドッグフードを選び、どのように使い分ければよいのを一緒におさらいしましょう。

ドッグフードの選び方のポイント

【1】ラベルをしっかりみる
ラベルにはたくさんの情報が書いてありますが、特に見てもらいたいのが「原材料」です。原材料に「副産物(~ミール)」「~エキス」「動物性脂肪」「動物性油脂」と記載がある場合は要注意です。

ミールは肉以外の部位、エキスは骨または脂肪を濃縮したものなので、簡単にいえば「廃棄する部位の寄せ集め」です。これが使われている安価なドッグフードは、いくら家計に優しいからと言って絶対に与えないようにしてください。

【2】「総合栄養食」と記載のあるものを選ぶ
パッケージに「総合栄養食」と書かれているかどうかを確認してください。これは、そのドッグフードと水だけで、十分健康に生活していくために必要な栄養素が整っているドッグフードのことです。犬にとって必要な栄養素がバランスよく入っているドッグフードなので、栄養素の過不足がないので安心して与えることができます。

【3】穀類が多く含まれているものは避ける
犬はデンプンを分解する唾液アミラーゼを持っていません。つまり、デンプンを多く含む、トウモロコシ・小麦などの穀類は苦手で、消化不良の原因になります。穀類を使用していないフードは「グレインフリーフード」といい、注目されています。グレインフリーのドッグフードを選ぶか、原材料表のトップにトウモロコシ・小麦などの穀類が書かれていないものを選びましょう。

【4】GI値が低い原料を使用しているものを選ぶ
GIとはグリセミック・インデックスの略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。GIが高い原料(砂糖、小麦粉、米、トウモロコシなど)は、一気に血糖値を上昇させるため、血糖の処理に多量のインスリンが分泌され、インスリン分泌が追いつかなくなることがあります。肥満や糖尿病の原因となっています。

GI値が低い原料の代表例はサツマイモです。炭水化物源としてサツマイモを使用しているドッグフードは犬の健康によいと言えるでしょう。

【5】高齢の犬はDHAやEPAに注目して選ぶ
DHAはドコサヘキサエン酸の略、EPAはエイコサペンタエン酸の略です。どちらも背の青い魚(イワシ、マグロ、サンマ、サバなど)に多く含まれている脂肪酸です。脳の活性化に役立つと言われていて、痴呆の防止に役立つため高齢の犬たちに向いていると言えるでしょう。

また、血液をサラサラにして生活習慣病を予防する効果があることは人間用のDHA・EPAでも知られていますが、同様の効果が犬の場合も得られます。高齢になってきたら、健康に長生きするためにぜひ摂り入れたい成分です。

ドッグフードの使い分け

年齢、体調、用途によってドッグフードは使い分けることをお勧めします。
【1】年齢

  • 子犬(パピー)の時期には、少ない量で十分なカロリーをとれるドッグフードを選びます。子犬は成長期で成犬よりもエネルギーを必要としますが、胃の容積が小さく、1回でたくさん食べることができません。そのため、脂肪とタンパク質をたくさん含むハイカロリーのドッグフードを使用します。
  • アダルトの時期には体格が安定してきますので、体重に見合った給仕量で太り過ぎに気をつけます。
  • シニア期には肝臓や腎臓の機能が落ちてくるために、タンパク質含量を減らしたシニア用ドッグフードを選びます。

【2】体調
心臓疾患、腎臓疾患などの病気になった時には、療法食をお勧めします。これは、人の治療食と同じものです。それぞれの病気にあった治療用のドッグフードです。体調に合わせて動物病院で獣医師の指示を受けましょう。

【3】用途

  • 歯石の付着を気にする場合は、ドライフードをおすすめします。
  • 水分を取ってほしい、歯周疾患で柔らかいものを好むようになった、食欲がわかないなどの場合はウエットフードがおすすめです。
  • 手作りしたいが栄養バランスがとれるか心配だと言う時にはフリーズドライやプレミックスがいいでしょう。

このように、その時々の状況に合わせてドッグフードを変えるのもよいでしょう。

ワンちゃんたちの体調は食べたもの、つまり私たち飼い主が選んだドッグフードで大きく左右されます。犬は大切な家族の一員です。ドッグフードを選ぶのは、私たちが家族の食事のメニューの栄養バランスや品質を考えるのと同じです。大好きな犬たちとずっと元気でいたいから、正しい知識を身につけていきましょうね。

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【執筆者】 獣医師 平松育子先生

bottom_writer山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の病院勤務を経て、2006年にふくふく動物病院を開業。飼い主と犬のかけがえのない日々の手助けをすることをモットーに、疾患の治療だけでなく、最適なドッグフードの選択のお手伝いも含めライフスパンのトータルケアを行う。プロフィールをもっと見る▶