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夏本番前から気をつけるべき犬の熱中症!暑さと湿度に注意して!

夜になると涼しくなりますが、日中は暑くなってきました。まだ、熱中症というと真夏のイメージがありますが、実は梅雨前から気を付けないといけません。

熱中症の犬

先日、動物病院に「熱中症かもしれない」と駆け込んできたわんちゃんがいました。幸い熱中症の症状は落ち着いていましたが、一歩間違えると命を落とします。

熱中症の症状や気を付けること、もしも熱中症になってしまった時の応急手当についてお話しします。

熱中症の症状

熱中症になると特徴的な症状が起こります。

  • 舌を出してやたらハアハアしている
  • よだれがたくさん出る
  • 耳やお腹を触るとかなり熱い
  • 元気がなくぐったりしている
  • 吐く
  • 意識がない
  • 痙攣をおこしている

最後の4つはかなり熱中症の症状が進み命にかかわる状況です。早急に動物病院に連絡し、応急処置をしないといけません。

熱中症が起こりやすいシチュエーション

【1】車の中

社内の犬車の中でお留守番をしている犬たちを時々見かけます。JAFの調べでは、4月で外気温が23度の状態で、車の中の温度は48.7度になります。

そしてダッシュボードの温度は70.8度になります。少しの時間ならと思いたいところですが、春先でも15分で10度、30分で20度の車内温度が上昇するというデータがあります。夏なら恐ろしいことになります。

もともと犬は汗をかきにくく、体温調節は主に口を開けてハアハアすることで行うしかありません。窓を少し開けて外の風を入れても、真夏はほぼ涼しさは感じられません。

春から秋までの間はたとえ短時間でも車の中でのお留守番はさせないようにしましょう。

【2】お散歩中

散歩で足をやけどしてしまう犬よく「夏の散歩はいつ行けばよいですか」と聞かれます。「早朝か日が完全に暮れてから」とお伝えしますが、具体的には人の手で5秒間地面に手の平を付けることができれば、散歩に行っても犬が肉球をやけどすることはほぼありません。

犬たちは人に比べると背が低く、お腹が地面に対して平行です。暑い時間帯に散歩に行くと、50~60度くらいの温度にさらされてしまいます。

湿度が高い日はさらにばてて、家に帰った時に倒れるケースもあります。絶対に暑い時間帯のお散歩はやめましょう。

どうしてもの時には、日陰になっている場所の土や草の上を歩かせるようにしましょう。

【3】室内

犬に扇風機は意味がない室内で扇風機を回したり、窓を少し開けてお留守番。この対策は犬にはほとんど役に立ちません。

犬は人以上に体温調節ができません。人が少し暑いと感じる気温は、犬にとってかなり暑いと思ってください。

人が扇風機を涼しく感じるのは、かいた汗に風が当たり気化するときに気化熱が逃げるからです。犬はサラサラの汗をかきませんので、気化熱が利用できず、涼しくなりません。

犬は、気温が22度、湿度が60%を超えたら熱中症を起こしやすくなるといわれています。

特に湿度が高い日は暑く感じますので、エアコンの設定は冷房よりもドライの方が涼しくなります。天気予報をチェックしながら対応してあげてください。日差しを遮るすだれやサンシェードなども有効です。

熱中症かなと思ったときの対処と応急処置

応急処置の冷たいシャワーまず、犬用に体温計を準備しておいてください。人用のもので十分です。測るのは脇ではなく、お尻の穴です。

ぐったりしていて体が熱かったらまず体温を測ってください。犬の平熱は38度台ですが、41度の体温が長く続くと亡くなる場合もあります。体温が高かったら、まず、動物病院に電話をしましょう。

次に、電話をしてからお風呂場で冷水をかけて体を冷やしてください。脇、内股や首には太い血管が通っていますので集中的にかけましょう。

ぐったりと頭を垂れてしまっている場合は、鼻や口から水が入らないように気を付けてください。

ポイントは体温が39度台に入ったら冷やすのをやめて、体をふくことです。平熱に入るまで冷やすと、そのまま低体温になることがあります。

まとめ

熱中症は突然起こります。いつでも新鮮で冷たいお水を飲めるようにしてあげてください。外にいる犬の場合、陽が水にあたりお湯になっていることもありますので、お水を置く場所や日中の陽の当たり具合には要注意です。

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【執筆者】 とある開業獣医師

とある獣医師某大学農学部獣医学科卒業。病院勤務を経て、2000年代に動物病院を開業。飼い主と犬のかけがえのない日々の手助けをすることをモットーに、疾患の治療だけでなく、最適なドッグフードの選択のお手伝いも含めライフスパンのトータルケアを行う。